元銀行員の苦悩

元銀行員。読んだ本のこと、仕事のことについて書ける範囲で書いていきたいと思っています。

地銀で1年働いて感じたこと

こんばんは。今日は少し趣向を変えて私が働いている「銀行」についての記事を書こうと思います。私が働いているのは地方銀行なので、すべての人にというわけにはいきませんが、これから地銀に就職しようとする人、地銀の内情を知りたい人の役に立てると嬉しいです。

 

良かった面

①労働環境は改善されている

まず入行して一番びっくりしたのがこれ。意外と労働環境が悪くないんです。私の支店では残業は月10時間程度とかなり少なく、大体6時には帰れます。他の業界に就職した同級生には月40~60時間残業している人もいるので、労働環境についてはめちゃくちゃホワイトだなと感じます。ただし、これは配属される支店によってはかなり格差があるみたいです。来店客数の多い店舗や残業が当たり前になっている店舗に配属されてしまうと「働きやすい」なんて言えなくなるのかも…。

 

②研修制度の充実

研修もとても充実していると思います。やはり「信頼」を売りにする職業ですからビジネスマナーや礼儀作法はしっかり教えてくれます。会社によってろくに研修も実施せずいきなり外回りに出すなんて会社もあると思うので、このへんはとても優れていると思います。銀行員が転職に有利と言われるのも、こういった研修で培ったビジネスマナーや礼儀作法が活きているからではないでしょうか。

 

③お金について詳しくなれる

 これも良い面ですね。生活する上で「お金」は切っても切り離せないものですよね。そんな「お金」について日常的に学べるのは銀行の大きな魅力かもしれません。保険や投資、ローンなど普通に生活していると選び方とかわからないですよね。しかし、銀行員の仕事はこれらの金融商品を人に勧めること。仕事をしていれば自然と実生活でも使える知識が習得できます。

 

悪かった面

①お金を扱うことへのストレス

よく言われることですがお金を扱うことへのストレスは確実にあります。有名な話で「1円でも合わないと帰れない」というものがありますがこれは本当です。お客様からお金を預かるという職業上、バイトのレジのようにはいきません。人の人生を左右しかねない「お金」。これを扱うのはそれなりの覚悟が必要でしょう。

 

②勉強がそれなりに大変

資格試験はかなり多いです。特に若いうちはガンガン受けさせられます。私は今年だけで9つの試験を受けました。受験する資格試験の難易度は各銀行によって差があるでしょうがどこの銀行も大差はないんじゃないでしょうか。それに加え通信教育の受講もあるため勉強時間の確保がなかなか大変です。資格は強制ではないですが、資格をとらないと白い目で見られます。勉強が嫌いな人は苦労するかもしれません。

 

③有給がとれない

うちの銀行だけかな?いや、そんなことはないはず。銀行で働く以上、有給は取れないものと思った方がいいでしょう。なぜか人員が常にカツカツの営業店。制度上はもちろんとれますが自己都合で有給をとろうものなら上司や同僚から白い目で見られるでしょう。

 

④若いうちは給料が安い

 銀行員の離職率が高いのは有名な話ですね。それを見込んでか若いうちは給料がなかなか上がらないです。うちの銀行では役職ごとに滞留年数というものがあり、どんなに優秀でも滞留年数をこなさないと昇進することはできません。そのため入行してから数年は、しばらく我慢が必要です。役職がつけばそこそこもらえるみたいですが、しばらくは割に合わないと感じるかもしれません。

 

⑤将来がとにかく不安

銀行というと「安定」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし、実情は全然違います。驚く方もいるかもしれませんが「銀行員」という職業は「10年後に無くなる職業」の常連なんです。というのも、機械にとって代わられるような仕事が非常に多いんですよね。最近はFintech(FinanceとTechnologyの造語)という言葉もよく耳にするようになりました。この分野の伸び次第では、事務しかできない銀行員はお役御免という時代もそんなに遠くないのかもしれません。

 

いかがだったでしょうか。悪口ばかりでしたが、学べることも多い職業であるというのは間違いないです。この記事が今後銀行員を目指す人や興味のある人の一助になればうれしいです。最後まで読んで頂きありがとうございました。